風にキスをのせて


離れていて 離れている

近くにいて 離れている

近くにいて 繋がっている と思っていた

いろいろ ありました。

頭が 邪魔をするけれど

いろんなことを 耳にするけれど


繋がっているからね

ということを信じる

自分を ただ想いを

これから しばらく続く

遠くから 受け取る日々に。

強くたくましく美しく。

誓いをたてる。


その日からは、砂漠のほうが大切になった。
彼女は毎日砂漠を眺め、少年がどの星に従って宝物を探しているのか、
想像するのだった。
そして風に乗せてキスを送り、
その風が少年のほほにふれてほしいと思った。
彼に、自分は生きていると伝えてほしかった。
彼を待っていると伝えてほしかった。
彼女は、宝物を探しに行った勇気ある若者を待っている女だった。
その日以来、砂漠は彼女にとって、たった一つのことを意味するようになった。
彼が帰ってくるという希望だった。


風が再び吹き始めた。
アフリカから吹いてくるレバンタールだった。
それは砂漠のにおいも、ムーア人の侵入の脅威も運んでこなかった。
そのかわり、少年の知っている香りとキスの感触を運んできた―
そのキスはずっと遠くからゆっくりゆっくりとやって来て、
少年のくちびるの上でとまった。
少年はにっこりとした。
それは彼女からとどいたはじめてのキスだった。

           アルケミスト 夢を旅した少年 パウロ・コリーニョ

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(c) izmyk写真素材 PIXTA

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by amenouzume2007 | 2008-11-18 00:12 |
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